Chatty English Circle

"Chatty English Circle" の活動予定&活動報告を紹介しています。

2月11日活動報告

【2月11日(日)CEC活動報告】

<参  加  者>3名(男性2名 女性1名)内田さん・小枝さん・小野

<活動時間>10:00~11:30

<活動形態>Zoomミィーティング

 オープニングは小枝さんの「宇宙航空研究開発機構JAXA)」の小型無人探査機「SLIM(スリム)」の日本初「月面着陸」の話題。誤差100メートル以内のピンポイント着陸の成功の裏では、電機大手から玩具メーカーに至るまで日本企業が結集。国内では今後、ロケットや探査機の打ち上げが続々と予定されており、それらに伴う雇用創出やロボット開発など、宇宙ビジネス飛躍へ期待が高まっている現状を聞きながら、個々の幼少時の「月面着陸」についての思い出等を交流しました。内田さんは「日本語教師」としての「模擬授業」で最近、「一つの説明に一つの解答」という傾向が強い外国人学習者と、「一つの説明からその周辺のことも考える」傾向がある日本人学習者とのちがいを痛感されていました。彼が担当されている外国人学習者の現状を十分把握しないままに、早計なことはいえませんが、そこには以前「日本人に特徴的なメンタリティ」として話題に上った「以心伝心」「腹芸」に相通じるものがあるのではないでしょうか。「外国語学習と国民性の相関関係」という視点は、今後のCECのトピックにもつながりそうですね。内田さんの話題はさらに「実践的コミュニケーション能力育成のための外国語教育」へと広がり、小枝さんから「高校時代に学習した文法事項の中には、使うことをためらうものもある。たとえば、三つの使役動詞(make, let, get)をより適切に使おうと思うと、二の足を踏んでしまう」という意見があり、一生懸命に覚えた文法事項がかえって、実践的コミュニケーションを思い止まらせてしまう例は枚挙に暇がないという話で盛り上がりました。内田さんは「教師のより少ない説明で、生徒のより多い表現(the  less explanations, the more expressions)」を標榜され、文法事項がよりシンプルになるように腐心されてみえますが、そのためには学習者にはいわゆる「一を聞いて、十を知る」ような資質を期待したいところで、その点ではアプローチすべき課題は少なくないと感じました。いずれにせよ、内田さんの「模擬授業シリーズ(?)」は毎回外国語学習に関するさまざまな問題提起につながることばかりなので、今後さらに期待させていただきたいです。小休止後、今回のトピック「友だち(Friend)」のイメージから交流。小枝さん、内田さんともにポジティブな単語や表現が続出。とりわけ、小枝さんの「人生を彩る(color my life)」ために不可欠な友だちの存在感は印象深かったです。一方、私は「朱に交われば赤くなる」がごとく、自身の中学時代が友だちによって少なからず影響されたので、そのネガティブな一面にふれました。自身の体験を含め、学校現場においても、「思春期」における友だちの存在は大きく、それは中学時代はもちろん、後々に大きな影響を及ぼします。十代の“若気の至り”は「自己責任」だけでは片付けられない側面が多く、とてもデリケートな問題だと思います。「友だちとの最も印象深いエピソード」では、小枝さんは大学時代以来の親友との「東京旅行」について話されました。共に義父母の下での長年にわたる家庭生活にあり、わかり合えることが多く、それが付き合いの一つの要になっているとのことでした。内田さんも「学生時代の友人との10日間旅行」を通じ、今も交流が続く貴重な縁を育まれた様子を話されました。私は小学生時代、近隣家庭で行っていた「自宅誕生会」の思い出を紹介させていただきました。その最大の特徴は、各家庭でふるまわれた「おふくろの味」。わが家では「茶碗蒸し」「ちらし寿司」が定番で、友人に評判だったその味は私の自慢でした。そこで交わされた「誕生日プレゼント」はささやかなお菓子か、文房具。誕生日ケーキもない、ただのおしゃべり会でしたが、友人が一堂に会し、食事を囲む楽しさは今も鮮明に覚えています。毎回“オチ”は、誕生日プレゼントを手にした母の一言。「みんな、勉強してほしいんだって」。「友達から学んだ教訓」では、小枝さんから「明朗で学力優秀だった友人の教訓」からスタート。その友人は唯一の弱点だった「運動」で、校内マラソン大会に向け、一人コツコツと自主練習。大会では堂々の3位入賞を果たし、小枝さんたちを大いに驚かせたそうです。日頃からその言動で周囲をポジティブにされていた友人ですが、この快挙に「努力は報われる(Great efforts pay.)」を痛感された小枝さん。一方、後年教師をされていた友人が病を得て、55歳で急逝されたことを知り、人生の不条理も感じざるを得なかったそうです。私は中学時代、温厚で誰からも慕われる柔道部主将だった友人が、夏休み以降急に学校に来なくなり心配していたところ、彼が白血病だと知ったときの衝撃について話させていただきました。PTAが校内外に向け、献血の呼びかけをして、多くの血液が集まったものの、彼はまもなく亡くなり、私は人の命の儚さに言葉がありませんでした。とともに、当時自由気ままに振る舞っていた私は「こんなことでいいか?」と自問自答するきっかけをいただきました。それほど親しかったわけではないのですが、彼は私に人生の教訓を授けてくれた、かけがえない友人の一人だと思っています。「友だちに関する箴言」では、小枝さんから「真の友人は財産(A true friend is the best possession)」が出され、「今は新たな友を作るよりも、ささやかな毎日を楽しく語り合える旧知の友人を大切にしたい」という話も。一方、内田さんから「真の友(true friend)」のご自身の定義は明確ではないが、家族とは異なる存在として、「とにかくふれあえる(just keep in touch)」ことが大切だというご指摘がありました。いずれにせよ、話し合いが深まるにつれて、私たちの世代における「友だち」は、「互いの何かを学び合う存在」から「今日まで自分が培ってきた価値観を共有し合う存在」に、友だち関係も「広げる」から「深める」になりつつあると感じました。今風にいってしまえば、友だちも「断捨離」の時代に入りつつあるのかもしれませんね。

2月11日活動予定

【次回(2月11日)CEC活動予定】 ☞ 2月11日(日)午前10時~11時30分

TOPIC:Friend(友だち)

1. What image are you in mind when you hear the word “friend” ?

2. What was your most impressive episode with your friend ?

3. What was the most valuable lesson you learned from your friend ?

4. Do you have any favorite quotes related to friend ?

5. If you were to express the meaning of friend in one kanji, what would it be ?

 前回「家族」について交流するうちに、酒井さんのご家族と酒井さんのあるお友だちとのかけがえのない絆に、メンバー一同心を揺さぶられました。私は「友だちから家族」というお話から、そもそも「友だちと家族はどう違うのか?」と思うに至り、今回のトピックを「友だち(Friend)」としました。思い起こせば、小学校入学時「一年生になったら(×2)、友だち百人できるかな」という、子ども心にも「とてつもない歌」がありました。この歌は日本の教育はもちろん、日本の対人関係の一端を表しているように思います。すなわち、長じて就職すると、「名刺」をばらまき、人つなぎに徹する日本的コミュニケーションの根本には「友だち百人」の精神があるように思えてなりません。もちろん、友だちはいいもので、友だちの数だけ、人生が豊かになるといえなくもありません。親友であれ、悪友であれ、付き合いが広がり、深まれば、学ぶことは必ずあるものです。家族は必然の存在、友だちは偶然を必然にする存在ともいわれますが、個々の好みや判断で選択の余地があるのが友だち。次回もまた楽しいチャットになりそうですね。

 

【今後の活動予定】☞ 2月25日(日)  

 

 

1月28日活動報告

【1月28日(日)CEC活動報告】

<参  加  者>4名(男性2名 女性2名)小枝さん・酒井さん・内田さん・小野

<活動時間>10:00~11:30

<活動形態>Zoomミィーティング  

 令和6年2回目のCECは、かねてからの私の希望で、日曜朝スタート。土曜から引っ越した(?)初日は、小休止を入れる時間に少なからず違和感があり、図らずも長年しみ込んだ習慣の重さを実感することに。それでも、例会そのものはいつものように生き生きと意見が行き交い、充実した90分間になりました。近況報告は内田さんの「日本語学校における模擬授業報告」から。4名の外国人学習者を前に、これまでの成果を発揮すべく、入念な準備で臨んだものの、計画と実践とのちがいには少なからず戸惑いもあったとのこと。「教える側は言葉少なく、簡単なほどよい(The lesser words, the simpler ways, the better.)」と心得ながら、なかなか思うにまかせない指導の難しさを実感されたようでした。年が明けて、卒業がいよいよ現実味を帯びてきた酒井さんは多忙ながら、精力的な日々を過ごしてみえました。ご自身が主催されているサークルの年度をしめくくるイベントへ向けた準備から、学生でフリーカメラマンをしているお友だちとのジョイントによる「写真教室」で、校内の他学部の学生も招待して、写真の専門知識を英語で紹介するイベント共催まで。英語を思う存分に駆使して、活躍の舞台を広げてみえる酒井さんのあふれるエネルギーと、何より若さは、還暦過ぎのシニアには羨望の的です。今後もさらなる元気をいただけるお話をよろしくお願いします。小枝さんは「冬場のバラの手入れ」について話されました。酷暑、暖秋のために、春の開花の遅れが懸念されたバラですが、厳冬を迎えたことで、とりあえず一安心。「冬眠(winter nap)」によって、成長が促進される期待がふくらみ、その手入れにも力が入るとのことでした。小休止後は「家族のイメージ」からスタート。内田さんは、一緒にいる時間の長さというより、「とにかくふれあうこと(just keep in touch)」と返答。とにかく朝食と夕食を一緒に摂る。そんな何気ない習慣こそ、家族をより家族にしていく。さらに、家族の核となる母親の存在(奥様への労い)についても話されました。酒井さんは「安全で(safe)快適で(comfortable)温かい(warm)」と即答され、家族にはポジティブなイメージしかないともいわれました。正月に「家族スキー旅行」に行かれるほど和やかな酒井ファミリーの雰囲気そのままのお答えに、私たちも思わず表情が緩みました。一方、小枝さんから「家族は最小の社会的グループ(the minimum social group)」というお話があり、私はそれを受け、「家族といえば、子ども(のしつけ)」と一言。もちろん、お子さまに恵まれないご家族や、いわゆる「収入2倍、子どもなし(Double Income No Kids)」、さらに「同性カップル」など、家族の多様性を認めた上で、しかし、私は家族にはやはり、立派な社会人への入口としての「しつけ」を期待したいのです。家族の多様性については、最新の学校教育を受けてみえる酒井さんからは寛大なご意見をうかがい、世間の流れを痛感するとともに、過日に教え子がパートナーとともにパリ在住していた様子を思い出し、自分が時代に取り残されているような感じもしました。「家族ドラマ」では、内田さん(Full House)、酒井さん(Modern Families)と、それぞれに、英語学習とアメリカ文化等をシンクロさせて学ばれており、さすがだと思いました。ドラマでは典型的なアメリカ家族が描かれ、「アメリカ的家族愛」がやや誇張されているきらいがあるそうですが、日本の家族とも相通じる問題をいくつも抱え、それらをクリアしながら、絆を深めていく家族の姿には共感するところが多々あったとのことでした。さらに、小枝さんは「一つ屋根の下(フジテレビ系)」、私は「サザエさん(フジテレビ系)」を紹介。前者は「兄弟と妹」による葛藤と家族愛に、後者は「伝統的な日本の家族への郷愁」に心動かされます。幼少時に大家族で育った私などは、家族はそういうものという意識がこの歳になっても色濃く残り、「ホームドラマ」への郷愁も人一倍強いと思います。「家族のエピソード」では、今までのCEC以上に、個々のプライベートの一端を聞く機会を得て、お互いへの親近感が深まりました。そんな中、メンバー全員の耳目を集めたのは酒井さんのエピソード。小学生の彼女の健気な思いに応え、彼女の気持ちを何よりも大切にされたご両親。学校や社会が目を逸らした事実を真正面から見据えたばかりか、そこに慈愛に満ちた温かい手を差し伸べられ、長き年月にわたり、新たな家族に同じ愛情を注ぎ続ける。思いも寄らないお話に接し、私は言葉を失う一方、これぞ、マザー・テレサの名言「強い愛は分け隔てせず、ただ与えることです(Intense love does not measure, it just gives.)」そのものだと得心しました。酒井さんはそんなご両親の言動を通じ、身の回りの人たちへの「感謝の念」を学んだといわれましたが、それは私自身が学んだり、教えたりしてきた感謝の念と比べ、どうなんだろうと思うと、自分が少し小さく感じられました。「家族の意味を漢字一文字で」で出たのは、内田さん(信)、酒井さん(愛)、小枝さん(礎)、小野(真)。酒井さんはもちろん、他のメンバーもそれぞれ発表された「家族エピソード」からイメージされる漢字が並び、改めてみなさんの人間性の一端にふれるとともに、家族が自分を映し出し、自分が家族を映す出す鏡になっているのだろうと思わずにおられませんでした。そんな中でも、酒井さんの家族エピソードと選ばれた漢字ほどすんなりと私の心に落ちるものはなく、折々に「家族の多様性」を口にしてきた私ですが、今回「家族の深さ」を痛感するとともに、「家族って、何?」と改めて問題への入口に立った思いです。家族は世につれ、世は家族につれ。人間にとって、切っても切れないのが家族。今後も折々に、家族(周辺)のトピックを取り上げながら、人間や社会の核心に少しずつでも近づけたらと思います。

1月28日活動予定

【次回(1月28日)CEC活動予定】☞ 1月28日(日)午前10時~11時30分

TOPIC:Family(家族)

1. What image are you in mind when you hear the word “family” ?

2. Do you have any favorite dramas, movies, songs, etc. about family ?

3. What was your most impressive episode in your family ?

4. What was the most valuable lesson you learned from your family ?

5. If you were to express the meaning of family in one kanji, what would it be ?

 前回「コミュニケーション」について、思いがけず話題が広がりました。「コミュニケーションは初めに自分ありき。さらに、『自分→自発→自信』のプロセスを踏んでこそ、とくに、『自信』を身につけてこそ、コミュニケーションは広がり深まる」と私が言わせていただくと、内田さんから「自信を促す自己肯定感(self-affirmation)の大切さ」の指摘があり、酒井さんは「5~10年前だったら、『自分が好き(I love myself)』とはとても言えなかったが、今は自己肯定感とともに、『自信』を持って、そう言える」と笑顔で語られました。その源には、周囲との豊かなコミュニケーションを通じ、少しずつ、しかし、着実に培ってきた自信があったでしょう。一方、そうした自信を育む内面的な成長は、心の土台となる「家族」の存在を抜きには語れないと私は思います。コミュニケーションの土台となる「話し方」に始まり、話す内容から諸々に至るまで、思い起こせば、私たちは陰に日向に、家族の影響を受けてきた自分を自覚せざるを得ません。次回はその「家族」から、「家庭」のあり方まで自由闊達に交流しましょう。

 

【今後の活動予定】☞ 2月11日(日)午前10時~11時30分  

 

1月13日活動報告

【1月13日(土)CEC活動報告】

<参  加  者>4名(男性2名 女性2名)小枝さん・酒井さん・内田さん・小野

<活動時間>14:00~15:50

<活動形態>Zoomミィーティング 

 令和6年元旦午後4時過ぎに発生した「能登半島地震」は未だ被害の全容がつかめず、日々放送される避難生活の窮状には言葉もありません。私はその時、ほとんどの店が元旦休業している中、にぎやかな人込みにつられ、ドン・キホーテに。その瞬間、すべての来客のスマホから一斉に「緊急地震速報アラート」が鳴り響き、店内は騒然。大きな横揺れに続き、エレベーターには人の波。とくにアナウンスもない中を、我先にと店外へ。それはかつて経験したことのない緊迫感でした。駐車場に集まる人混みから「石川県らしい」との声が漏れてくると、「ここ(岐阜)がこんなに揺れているのに…大丈夫か」と彼の地を心配する声も聞かれました。家族旅行で長野県野沢温泉村スキー場に訪れていた酒井さんもやはり、今までに経験したことのない地震に驚くとともに、自宅以外ということへの心配も少なからずあったそうです。自宅にみえた内田さんは、震源地から離れていたこともあり、震度2の揺れの中にあって、アラートを聞くこともなく、落ちついた対応をされたとのこと。三者三様とはいえ、一つの地震は私たちの心に重いものを落とすものだと感じました。また、地震の「その後」について、小枝さんからご指摘があり、それをメディアで何度も見聞きすることで引き起こされる視聴者の「共感疲労(compassion fatigue)」が今、問題視されていることをうかがい、スマートフォンやSNSの普及の絶対的な負の側面を痛感しました。先行き不透明な能登半島地震ですが、被災者の方々に一日も早く日常が戻るように、支援の輪が広がっていくことを願うばかりです。新年初の「トピック(communication)」は、多くの英語学習者はもちろん、昨今は日常生活をよりスムーズに進める上で、あらゆる人が関心を持っているのではないでしょうか。そのイメージとして、内田さんは「関係性(relationship)」を、それを豊かにする秘訣としては、「積極的に聴く(active listening)」を出されました。「相手を受け容れてこその双方向性」という考え方は日本人の美意識とも重なり、大いに共感できます。酒井さんはコロナ前に、コミュニケーションにうんざりしたり、慎重だったこともありましたが、コロナ禍にその機会が限られ、それまでは当たり前だった周囲の人たちとの関係が断ち切られ、孤立感が深まるにつれ、オンラインを含め、コミュニケーションはすべてかけがえのないものだと感じられるようになり、コロナ前後でコミュニケーションの認識が激変したとのことでした。世界規模の天災は、人々の生活に未曾有の危機をもたらしましたが、それを私たちが従来のコミュニケーションを見直す機会とできれば、個人間はもちろん、集団と集団、さらに、国家間の関係性を見直す機会にもできるではないかと期待します。小枝さんは日本特有のコミュニケーション様式として「腹芸」を紹介されました。「声なき声を聴く(listen to what is not said)」「行間を読む(read between the lines)」など、日本独自のコミュニケーションの背景に「以心伝心(understand each other without language)」ありきですが、それが今日のグローバリズムの中で通用するかと考えると、日本人はその「コミュニケーションの島国根性」を全面的に見直す時期に来ていると言わざるを得ません。多様なコミュニケーション・ツールの出現も含め、日本は今、真に「コミュニケーションの開国」を迫られていると私は思います。私にとって、「コミュニケーション」という単語との出会いは遡ること45年前。高1英語(リーダー)で授業のたびに10ページずつテストを受け(させられ)ていた親単(旺文社)にありました。ひたすら「覚えては忘れ、忘れては覚え」のくり返しは、当時の私には苦痛以外の何物でもなく、そこにあった「コミュニケ―ション」もまた、発音も意味もわかりにくい難語でしかありませんでした。中学校教師になってからは、文科省が折りに触れて連呼しては、「英語」という教科の絶対的な物差しのようにいう「コミュニケーション(能力)」という言葉には辟易とさせられたこともあります。しかし、時を経て、一人の英語学習者となった今、この言葉には私の心を捉えて離さない何かがあるのです。一つの言葉との縁の不思議さを感じます。コミュニケーションの上で大切にしていることとして、内田さんは「積極的に聴き、相手を受容することで、誤解やストレスを減らす」ことを挙げられました。さらに、電子メールによる情報欠如や行き違いをなくすために、ビジネスシーンにおいては、電子メールと対面を併用し、より確かなコミュニケーションを図ることも考慮すべきだと補足されました。酒井さんは「双方向のコミュニケーション」を実現するためには、年齢や立場などにかかわらず、話者間の「平等(equality)」を確保し、やりとりの「質(quality)」と高めることが大切で、そのためには、自分自身を適切に表現することはもちろん、相手に適切な質問をしながら、相手の思いや考えをうまく引き出せるように努めるべきだといわれました。私もコミュケーションを左右するのは「質問力」だと思い、それを世代を問わず、全力で発揮できる話術の天才たる明石家さんまさんを紹介させていただきました。最後に「コミュニケーションを漢字一文字で」という私のわがままな質問をお願いしたところ、「親と近(内田さん)」「互(酒井さん)」「彩(小枝さん)」「自(小野)」とそれぞれの現在の個々の「コミュニケーション観」が如実に表れている漢字が出ました。文科省ではないですが、「コミュニケーション」という古くて新しい言葉の意味合いは、時代を映し出す一つの鏡であり、だからこそ、時代によって、少しずつ変わっていきます。英語学習者としては、興味の尽きないトピックの一つであり、今後も何かの折りには、改めて「その時」のコミュニケーションをざっくばらんに語れたらと思います。

1月13日活動予定

【次回(1月13日)CEC活動予定】

TOPIC:Communication(コミュニケーション)

1. What image are you in mind when you hear the word “communication” ?

2. What do you value to improve your communication (skill) ?

3. Who is a familiar or famous communicator that you admire ?  What is the reason ?

4. If you were to express the meaning of “communication” in one kanji,  what would it be ?

5. How about talking freely about communination ?

 新年あけましておめでとうございます。令和6年も相変わらず、CECをよろしくお願い申し上げます。新年初のトピックは、昨年最後の例会で話題になった「コミュニケーション(Communication)」とさせていただきました。英語教育においては、最大のキーワードとされてきたコミュニケーション(能力育成)。一方、コミュニケーション能力の評価基準は、文科省の折々の通達等によって、少しずつ変化。グローバル化が声高に叫ばれる昨今、それはしばしば、国家の浮沈を左右するほどの重さを持って語られます。しかし、日本の未来を担う子どもたち、さらに、その子どもたちを教え育む教師たちのコミュニケーション(能力)の成果と課題が問われた場合、国際社会の中で日本は安閑としておられないと私は思います。もちろん、コミュニケーションは英語教育の中にだけあるのではなく、個々の公私にわたる周囲の人々との関わり合いのすべてがコミュニケーションであり、ありとあらゆるTPOを駆使し、それを磨き上げていくのは、「社会的動物」といわれる人間の宿命でしょう。次回は、英語に関わる、さらに、公私に関わるコミュニケーションを自由にチャットしつつ、「人間関係の機微」のようなものにぜひふれていけたらと考えています。

 

【今後の活動予定】☞ 1月28日(日)午前10時~11時30分

12月23日活動報告

【12月23日(土)CEC活動報告】

<参  加  者>5名(男性3名 女性2名)小枝さん・酒井さん・内田さん・徳丸さん・小野

<活動時間>14:00~15:50

<活動形態>Zoomミィーティング 

 令和5年最後のCECは、内田さんの「日本語教師」としての近況報告からスタート。アセスメントテストや模擬授業に向けて、充実した日々を送ってみえる様子が目に浮かぶようでした。酒井さんは納得できる取り組みができた卒論を提出され、ほっと一息つくや、大学院へ向けた本格的なスタートを切られ、内田さんと同様、充実されていました。年明けに卒論を提出するや、ほっと一息つく間もなく、友人との別れを惜しみ、毎晩のように酒を酌み交わしていた自身の学生時代と比べると、あまりの違いに言葉がありません。また、卒論にあたっては、米国の図書館や博物館の資料も検索。学士の集大成にふさわしい総括をされたとのことで、ペーパーバックなどの紙媒介一辺倒だった私の時代と比べ、ネット媒介の駆使した学びの広がりと深まりはうらやましく感じられました。小枝さんは「オープン・ハウス・イベント」における話をされました。快適にして、徹底した省エネを実現した冷暖房をはじめ、エコロジーに配慮した和モダン住宅のすばらしさは耳目を集めました。トピック・チャットに入り、「漢字のイメージ」を交流すると、内田さんから「表意文字」としての漢字の便利さが具体例とともに語られ、ひらがなやカタカナとは異なる漢字の奥行きが実感できました。徳丸さんはご自身の名前(順教)がなかなか一度で読んでもらえない一方、この名前がとてもお気に入りだと和やかに話されました。人名データベース(?)が豊富で、キラキラネームでもかなり読み方が予想できる私にも、徳丸さんのお名前は想定外の読み方で、そこに込められた願いは興味深いです。名前に関しては、前々からお聞きしたかった酒井さんのお名前「美里(みり)」の「漢字(読み方)」の由来を質問させていただきました。「漢字」はお祖母さまとお母さまのお名前から一字ずつ拝借し、「発音」は英語圏の人々にも発音しやすい(million→Miri)ように」との配慮をされたお名前だとお聞きして、「さすが21世紀の命名」だと感心しました。よく「左右対称の名前は縁起がよい」とされますが、美里さんのお名前はこの点もクリアされており、命名されたご家族の深い願いが込められたお名前だと感じます。「個々の2023年を表す漢字」としては「病(小枝さん)」「忙(酒井さん)」「変(内田さん)」「悲(徳丸さん)」「行(小野)」が挙がりました。まだコロナ禍の最中で、思いがけない虫垂炎手術をきっかけに、体調不良が続いた小枝さんは、病を得たことで予想だにしなかった起伏の激しい一年間を過ごされました。また、縁戚のご不幸が重なった徳丸さんは、人生の局面が変わりつつある思いにとらわれたご様子でした。一方、酒井さんは、前述の卒論はもちろん、ふだんのキャンパスライフ、ご自身がオーガナイズされている英語サークルなど、ご活躍の場を着実に広げられ、多忙な一年間を過ごされました。内田さんは、リタイアを契機にチャレンジを始めた「日本語教師」への道のりで、日本語はもちろん、教育に関する造詣を深められました。みなさんのお話を伺いながら、一年間はあっという間ですが、順風満帆とはいかないものだとも思いました。とはいえ、大晦日を迎える今日、みなさんで共に2023年を健やかにしめくくれたことは何よりではないかとお慶び申し上げます。最後に「私の2023年」を表す漢字「行」ですが、今年の私はたいへん行動的でした。まずは存亡の淵にあったCECの再生に向け、大阪のお二人をはじめ、元同僚、元教え子に声をかけました。今だからこそ、それは大成功だったと声高に言えますが、当初は長年「クローズド・サークル」だったCECの“歴史的開国(?)”には少なからず懸念がありました。新メンバーのみなさんにCECのコンセプトを理解していただき、何より楽しんでいただけるか。さらに、メンバーとして気持ちよく定着していただけるか。そんなことを思いながら、夏から秋にかけては、私なりに心がけました。会を重ねると、新メンバーを交えた心地よいリズムがつかめるようになり、私自身が最も例会を楽しんでいるのではと思います。すべてはメンバーのみなさんのお力添えあってのことと返す返す感謝の念にたえません。そのあまりの心地よさに、「漢字」を交えた自身の「わがままオリジナルコーナー」まで開始。みなさんのご意見を伺いつつ、何より自身の学びを広げ深めることができました。挙句、過日はとうとう大阪まで出かけ、内田さんと酒井さんと直接お話させていただく機会も。コロナ以降、名古屋さえ遠かった典型的な「インドア派」の私は、久しぶりの新幹線を楽しみつつ、何よりお二人とのライブ初対面にテンションは爆上がり。実に楽しい時間を過ごさせていただきました。時空間を瞬時につなげてくれるZoomのよさは代え難いものがありますが、やはりライブに勝るものなし。それを痛感した大阪遠征(?)でした。「今年の思い出」では、酒井さんの「カナダ・バンクーバーのコミュニティセンターにおけるボランティア体験」がとても印象に残りました。施設の関係上、丁寧にして適切な言葉遣いが求められるボランティアにあえてチャレンジされた酒井さんに感服するとともに、「自分もあと40年若かったらなあ」とも思ったり。小枝さんがときおり言われますが、酒井さんが(おそらく)さり気なく体験されてみえる体験も、世代によっては驚きだったり、感心だったりで、その話への興味は尽きません。一方、酒井さんも、ふだんの同世代とのコミュニケーションでは話題になりにくいトピックを、知識や経験の違う異世代と交流し合うことで、新たな学びの機会を得てみえるようです。こうした「ウィン・ウィン(win-win)」の関係がCECのコンセプトになりつつあることに、私はこの上ない喜びを禁じ得ません。最後となりましたが、今年のCECの活動に一方ならぬご理解とご協力を賜りましたことに改めて感謝申し上げます。メンバーのみなさま、よいお年をお迎えください。